さて、今回は約4年半前に「もの忘れ外来」に行った経緯を、
次回はその時に感じた「もの忘れ外来で行われること~付き添いの立場から」について書きたいと思います。
日頃「もの忘れ」に対して、ちょっと心配はしているけれど、病院に行くまでは…と抵抗を感じている方の一助になればうれしいです。

 

1、「もの忘れ」外来受診の経緯

 

理由は、私の母の記憶力に不安を感じたからです。

 

当時、2~3年前くらいから父が母のもの忘れについて時々心配であるとを聞いていました。
私も頻繁に実家に行っていたので少しは感じていましたが、一緒に住んでいないため父ほどの心配はしていませんでした。
なぜなら、もともと天然が入っているおっちょこちょい気味な母なので、判断がつきにくかったのです(^^;)。

ただ、当時、私は末っ子がまだ小さく、夫の退職→病気の発覚→手術、退院当日の末っ子の緊急入院、その後の二人の健康管理、上の子の小学校入学などなど、やることがたくさんあったので、気にはなっていましたが実家のことまで動くことができずにいました。

 

父は、私が調べた病院に「俺が自分の脳が心配だから」と言って、母と二人で検査を受けてきました。

結果、母は問診もMRIもほぼ問題なし、父はMRIで脳こうそくの痕がいくつかある・・と言われて「自分の方が言われたよ」とがっかりして帰ってきました。

 

お医者さんに言われたことで安心してしまい、しばらくはそのままでいました。

しかし、会うたびにゆっくりですが、もの忘れがひどくなっている気がして、さすがに不安になりました。

電話で伝言を頼んでも伝わっていないことが一番困りました。
電話して母が出て、用件を伝えても、父がもう一度かけてくるのです。

なので、電話に母が出ても父に代わってもらうと、母が怒りだす。

「言った、言わない」のやりとりが増えました。

 

その他にも以前なら安心して任せていたことに、不安を感じる出来事が出てきました。

 

ただ、現時点では認知症の初期症状なのか「老人性のうつ」なのか素人には判断がつきませんでした。
だから「もの忘れ外来に行ってみようよ」と言っても、頑として行こうとしませんでした。
正確には、長い説得の上、渋々了承しても、その場で予約しなかったせいで…了承したことを忘れてしまったようで、また「行かない!」となってしまうことが2,3回あったのでした。

 

父も一番困っているはずなのに「本人が嫌がっているのに、無理矢理行かせる訳にはいかない」と言います。
我が家は長兄が知的障害を持っているため、しっかりしているとは言え、兄の世話も母の世話もという訳にはいきません。

認知症の初期症状なら効く薬もあるらしいという話も聴いていたので、今の母の状態が「年相応のもの忘れ」なのか「認知症の範囲」なのかわかりませんでした。

 

2、軽度認知障害(MCI)ということばを知る

そんな時に、たまたまテレビをつけていたら「認知症の前段階」として「軽度認知障害」ということを知りました。
慌ててメモに書き留めて、ネットでいろいろ調べました。

この段階で、認知改善トレーニングを継続的に行えば、認知機能は「正常の範囲」に戻る人もいるし、現状維持の人もいる。今後認知機能が衰えていくとしてもその進行を緩やかにすることができる、ということを知りました。

 

医者に行くことを拒んでいる間にも、進行していったらどうしよう…。
それなら現時点でできることをしつつ、診察を促そう…、と考えました。

 

数年前から

・習い事を勧める。
・家族以外の人との関係作りを勧める
・「おとなの塗り絵」を渡す
・写経を勧める
・日記をつけることを勧める
・頭の中にあることを紙に書くように勧める。  などなど。

 

勧めては来ていたんですけどね。
全然やろうとしない。

本人のやる「目的」がないからなんでしょうね。

ウォーキングやドライブはしょっ中行っているのと、基本健康体なので「このままで十分」と両親共に考えていたのだと思います。

 

そんな訳で、ちょっとやそっとの提案ではきっとやらないだろうな~、…とぼんやり考えていました。

 

3、自分でやればいいのだ!

「軽度認知障害」を知って「ひょっとしたら、母はこの段階かもしれない」と感じました。

テレビで紹介されていた「シナプソロジー」というものを検索しました。

静岡でやっているところはあるのか?
どうやったら学べるのか?

調べていたら、たまたま次の日に大井川でシナプソロジーの基本を学ぶ講座があることを知りました。

 

申し込みはとっくに過ぎています。
調べた時間は夜の23時近く。

ダメでもともとなので、メールだけ送りました。

夜中に「参加OK」のメールをいただきました。

次の日急いで準備して、大井川へ。
シナプソロジーを体験することができました。

その時「これを母にやろう。そして、母のような状況の方と一緒にワイワイやりながら続けられる場所を作ろう」と思い立ちました。

 

この準備をしている間は、私はあまり診察に行こうと強く誘いませんでした。
できることがあるかもしれない、と思ったからです。

第1回の体験会終了後、再度誘い、了承が取れたその場で「もの忘れ外来」を予約しました。
かなり不満そうでしたが、「認知症」や「軽度認知障害」について調べれば調べるほど、早期対応が大事なことがわかっていました。
塾を企画することで、より説得力が増したのでした。

ようやく母に「もの忘れ外来」での診察を了承してもらいました。

 

 

 

次回は、「もの忘れ外来」の付き添い報告です。
お楽しみ(?)に(^^)