さて、前々回は「もの忘れ外来」に行った経緯を、
前回は、「もの忘れ外来でやることと、受診費用」について書きました。
今回は、実際にもの忘れ外来を受診した母の付き添いをしたので、
「もの忘れ外来」ではどんな流れで診察を行うのか?について書きたいと思います。
1、受付
初診なので、問診票を書きました。
本人が書くものと、家族(生活を共にしている人?一番そばにいる人?)が書くものと2枚ありました。
本人の問診票は、割と一般的なものでしたが、家族が書くものは、日頃の気になる部分をスケーリングで書き込むところがありました。
写メを撮ってくれば良かった…と後で後悔(>_<)
記憶の程度やうつのような症状があるかどうかを、5段階評価で書き込むものでした。
ただこれは、受診した医院専用の問診票かもしれないので、どこのもの忘れ外来も同じかどうかはわかりません。
2、医師との問診
詳しい質問事項までは書かない方がいいと思うので、概略を書きます。
まずは、医師に聞かれることに対する反応を見られていると思います。
名前や生年月日、本人であればわかっているだろうこと、現状をどれくらい把握しているかどうかについての質問が多かったです。
うちの母は緊張していましたが、私から見ればほぼ問題なく対応していました。
こういったベーシックな問診は、認知症ではない方からすれば、「なんでこんなこと訊くんだろう?」とムッとしてしまうような内容かもしれません。
「知ってるに決まってるでしょ?」と言いたくなるくらい基本的なことを聞きますから。
ただ、注意が必要な方は、この辺りでも反応が出るんだろうな…と思って見ていました。
次に、長谷川式認知症スケールを使用した問診を行いました。
【長谷川式認知症スケールとは】精神科医の長谷川和夫先生によって開発されました。
限られた時間と限られたスペースで、医師が効率的かつ公平に認知機能の低下を診断するために1974年に開発され、1991年に一部改定を経て今に至るまで利用されています。
かつては「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」と呼ばれていましたが、2004年に「痴呆症」から「認知症」に名称変更されたことに伴い、現在では「長谷川式認知症スケール」と呼ばれています。
30点満点で、20点以下だった場合、認知症の疑いが高いと言われますが、この診断結果はあくまでも参考です。
このテストの点数が悪かったからといって、即「認知症」と診断されるものではありません。
うちの母は、30点中27点だったと思います。2年前が28点だったらしいのですが、これは誤差の範囲かもしれませんね、
もう一つ問診を受けていました。
その内容からこのテストは、MMSE(ミニメンタルステート検査)だと思われます。
MMSEとはミニメンタルステート検査と呼ばれているテストです。
このMMSEは国際的に最もよく使用されているテストで、長谷川式よりも複雑な質問が組み込まれています。
テスト問題(実際のテスト内容は下段にあります)は全部で11項目で、長谷川式と同じ記憶力などをテストします。
満点は30点で22点から26点が軽い認知症、21点以下は認知症を疑います。
母の場合は、28点だったので、このテストでも悪い判定は出ませんでした。
その後、鉛筆の先を目で追う、等の医師の指示に従った動きができるか?というようなテストもしていました。
最後に、家族とは離れて、血圧と採血に行き、「パズルのテスト」をしたそうです。
そのパズルも認知症を疑う部分はなかったようです。
母が私達と離れている間に、医師は普段の家の中での表れや家族から見た母の言動を訊いていました。
3、そして今回の母は?
血液検査の結果がでるのが後日になるそうなのですが、現時点での医師から結果を聞きました。
母は、ごく軽度の認知障害のようです。
「新しいことをしたり、新しい人と出会うこと、人と触れ合うことを増やす事」というアドバイスをいただきました。
私も父も驚いたのが、日ごろの母よりもずっとしっかり医師の受け答えに応答していることでした。
もともと緊張しやすいし、見栄っ張り(家族以外ではしっかり者で通っていました)なので、適度な緊張感だったのかもしれません。
学生時代じゃないので「テスト」することに躊躇がある方もいらっしゃると思います。
けれど、刺激や緊張感の少なすぎる「穏やか」な生活は、脳の機能を活性化する機会を失っていることでもあります。
オフィスよきまが今後開催していく「65歳からのおとな健康塾」は、3月の本講座の際には、定期的に簡単なテストをしようと思っています。
楽しみながらも、適度な緊張感と、意欲を感じる内容にしたいと考えております。
最後に
いかがでしたでしょうか?
まだ血液検査の結果が終わっていないため「正式な診断名」が出たとは言えませんが、ほぼ「軽度認知障害の初期」だと言われました。
母のもの忘れが正常範囲になるように、また同じような状況の方にいい変化が起きるように、色々考えていこうと思いました。