今回も雑談。

前回書いた記事「いくつになっても好奇心と行動力を」に書きましたが、以前軽井沢で開催されていた組紐の展示会でのこと。

夫と伊澤さんがあれこれお話しているのを横で聞いていた時、「ひもとひもをはいでいる」という言葉がありました。

会話の流れとしては、「ひもとひもを繋いでいる」というようなことだったので、「『はぐ』ってどういう動作なんだろう?」と思っていました。

私の頭の中の「はぐ」という漢字は『剥ぐ』。
辞書では、
➀おおっているものを,めくるようにして取り除く。 「皮を-・ぐ」 「仮面を-・ぐ」
➁身につけているものを取り去る。脱がす。 「布団を-・ぐ」
➂奪い取る。取り上げる。 「身ぐるみ-・ぐ」 「官位を-・ぐ」
〔動詞「剝(は)ぐ」は,毛皮などを力を入れて無理やりに,表面だけでなく,やや深部まで,厚みのある形でごっそりと,面積としても広範囲に取り去る意に用いる。これに対して「剝(む)く」は,果物などの表面の皮を,薄く取り去る場合などに用いる〕
というイメージ。

二人が話していた「はぐ」は『接ぐ』。
➀結び合わせたり,足したりして,一続きのものとする。
㋐ つなぎ合わせる。 「骨を-・ぐ」 「細い竹を何本も-・いだ竿(さお)」
㋑ つぎ木をする。 《接》 「カイドウにリンゴを-・ぐ」
㋒ 衣類の破れをつくろう。 《継》 「着物ヲ-・グ/ヘボン」
㋓ 絶えないように,減ったところに足す。補給する。 《継》 「炭を-・ぐ」
㋔ 前の物事が断絶しないよう前に続けて行う。 《継》 「言葉を-・ぐ」 「息を-・ぐ」 「妹が家も-・ぎて見ましを/万葉集 91」
➁地位・職務・技などを継承する。
《継》 「王位を-・ぐ」
「家業を-・ぐ」
「上手の継ぎといひながら,かくしもえ-・がぬ業ぞかし/源氏 若菜上」

ほぼ、真逆…。
私の知識がなかったのが一番大きいのですが、「縫う」「くっつける」ではなく「接ぐ」という言葉を二人が用いたことに、日本語の美しさを勝手に感じてしまいました。

そういえば、夫は年配のお客様と話している時も「しょうぬける」という表現を使っていて、「???」と思っていました。
(性(しょう)が抜・ける=本来の性質・形などが失われること。)

方言ではないこういう古来?の表現。
美しいな~と思ってしまいます。
職人さんには身近なことばなのかな?

・・・単に私が言葉に無知なだけかもしれませんけどね。

日本語ですら知らない世界がまだまだある。
面白いですね。